あなたにspark joy

甘ったるいワインで悪酔いしたのか、もう会うこともない相手に腹立たしい事を言われたからなのかは定かではないけど、私は敢然と言い返した。

予想外の私の暴言に驚いたのか、彼は一瞬眼を大きく見開いた。

「それに作業服なんて、初めて会う相手に対して配慮がなさすぎる」

真っ直ぐに彼を見据えてそう言うと、篠宮慶太は唇を引き結んだまま私を見つめた。

「とにかく、もう二度とお会いすることもありませんけどお元気で」

もう、あと一言ですら言葉を交わしたくない。

私は彼の横をすり抜けると、二車線の道を横断しようと左右を確かめた。

「おい、危な……」

篠宮慶太が咄嗟にそう言ったけど、私はスルーした。

心配ご無用!

中央にある分離帯で反対車線の車の流れを確かめると、私はダッシュで道を渡りきった。

そしてそのまま歩道をそれて、公園へと歩を進める。

あー、気分悪い!最低!

なんで私がこんな不愉快なめに遭わなきゃいけないのよ。