「移動教室だぞー。早く出ろ~」


1限目から移動教室なんて……。



教科書とノートを持って別教室に向かう。




2-Aの教室を通ろうとすると、


「ねえ、渡部くん」



その名前が聞こえ、ピクリと反応する私。



「渡部くん……?」



反応がなかったせいか、もう一度呼ぶ女の子。



「……なに」



え……。


快の声が聞こえたと思ったら、今までに聞いたことのないくらい、声のトーンが低かった。



本当に快……?


と思ったのと、



機嫌悪いのかな……?



と思って、教室を覗いてみると、やっぱり快で。



2人の女の子が、快の席の前に立っていた。