「俺、眠たい」


俺が話したいのは、杏だけ。


触れたいのも、名前を呼ばれるのも。




「だから邪魔しないでくれる?」


そういうと、自分の席に戻ってく女。


邪魔されるの、ほんとキライ。



チラリと横目で廊下を見てみると、もう誰もいなくて静かになっていた。



杏は来たのだろうか。

それとも、いなかったのかだろうか。



心の中でさっきのヤツらに舌打ちし、顔を伏せ眠った。