ボブ・ディランを二人で聴きながらゆっくり飲んでいた。


マスターはそれで仲直りしたんだなと言うとうちでボブ・ディランを掛けるのは最後にするからきっちり聴いて行けよと真顔で言った。



私も彼も抗議しようとしたが、一切の抗議は受けませんとマスターが、言った為にじっくり聴く事に専念した。


確かに歳をとっての声も悪くないね。今日CDショップで何枚か買おうかなと彼は言った。



するとマスターが、ボブ・ディランよりプリンスを買えよディランは生きてるけどプリンスは死んだんただから供養だよと強い調子で抗議して来た。


私は彼の樹を見ながら春になったらどんな花が咲くのだろうとボブ・ディランの嗄れ声の中で思った。













終わり