違和感があった。


 だが、追うしかない。


 伊里町がタクシーの運転席に滑り込み、俺も追って助手席に座る。


 互いに気を抜かない。


「佐山、寝不足か?」


「ええ。疲れてます」


「俺も夜は何度も目が覚めて、眠れてないよ。……でも、夏も終わりが近いからな。また秋になるし」


 伊里町がそう言い、エンジンを掛けて、ハンドルを切る。


 そして猛スピードで、街に出た。


 下古毛は段野と取引したのだ。
 

 だが、なぜ三宅を葬ったのか?


 疑問符しか付かない。