俺が息絶えたのは、救急車が来て担架で運ばれ、車に乗せられた直後だ。


 天へと召される。


 何か俺の人生も終わるのが早すぎる。


 これからあるのかないのか分からない、あの世へと旅立っていくのだから……。


 心残りは、楠村が罰せられるところを見られなかったことである。


 今となっては、もう叶わない望みなのだが……。


                       (了)