仮に俺たちがこの事件を解決できなくても、後任刑事がいる。


 慌てることはない。


 時折車を降りて、街中を歩く。


 歩を速めながら……。


 そしてまた車両に乗り込み、移動する。


 何も収穫がないまま、時だけが流れ続けた。


 辛いのだが、捜査を続ける。


 俺も伊里町も、互いに執念になっていた。


 必ず事件を解決してみせると思っていて……。


 もちろん、容易じゃないのだが……。


 合間に食事を買って、取りながら、腹ごしらえした。


 事態はそう変わらない。


 ただ、篠原も羽野も下古毛も、どこかにいるはずだ。