私に分かるように話した後、
生々しい傷跡に触れる苦痛を堪えるように北斗さんは目を閉じる。
過去、どれだけ辛いことがあったのか、
彼の表情を見ていれば鈍感な私にも分かった。


七星「スタッフの誰かから聞きつけたカレンが、
  プロジェクション・ルームの扉を開けて、
  続いてそのあと、流星が入ってきた。
  僕と流星の殴り合いの喧嘩になって……
  パーティーのフィナーレになったんだ」
星光「北斗さん、辛い思い出なんでしょ?
  もう無理に話さなくても」
七星「君には本当の事を知ってて貰いたいんだ」



夕暮れに染まっていく秋空を見上げた北斗さん。
赤く染まる哀愁漂う横顔を、
今にも涙が零れ落ちそうな潤んだ目で見る。
彼から語られたクリスマスの真実を知り、
今まで抱いていた涼子さんのイメージは一変した。
さっきの私と同じように、
苦しくなるくらい深く真剣に流星さんを愛していた涼子さん。
彼女の気持ちと私の気持ちがシンクロし、
これまでの言動が心で理解できた。
そして、これから語られる北斗さんの話を聞き、
その気持ちは一層大きくなる。
それと同時に、私を支えてくれた風馬の笑顔が頭をチラつき、
胸の奥をチクリと刺していたのだった。

(続く)


この物語はフィクションです。