派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

「ところで、あんた、暇?」
「は?」

「今日、どうしても行きたいランチの店があったのに。
 みんな都合がつかなかったのよ。

 あんたでいいわ。
 ついて来なさいよ」
と言い出す。

 えーっ! と蓮は声を上げた。

「服部さん、一人で平気そうな人じゃないですかー」

「……あんた、本当に言いたいだけ言うわね。
 いいから、行くわよ。
 奢らないけど」

「えー」
「戻ったら、さっさと支度して、十二時ちょい前に出るわよ」

 わかったわね、じゃあね、とさっさと行ってしまう。

 どうして、此処の人たちはみんな人の話を聞かないんだ……と思いながら、渡り廊下を戻っていく真知子を見送った。