派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

 目を閉じると、涼やかな池の風が感じられた。

「蓮、結婚してくれ」

 そう言う渚に、蓮は微笑む。

「じゃあ、飽きるまで側に居てください」

「……どっちが?」

「貴方がに決まってるじゃないですか」

「まあ、そうだな。
 いっそ、飽きさせて欲しいかな」
と渚は言い出す。

「仕事中も、ついついお前のこと考えてるし」

「なに言ってんですか」
と蓮は赤くなる。

 渚を見つめて言った。

「渚さん、此処まで来てくれてありがとう」

「連れて逃げるのは簡単だが、出来るなら、みんなに祝って欲しいからな」

 お前もそう思ってるから、この場に来たかったんだろう? と言われる。

「私は、年寄りに弱いんですよ……」

 あんな我儘なジイさんですが、と蓮は言った。

 それでも、大事な祖父には違いない。

「だから、渚さんに期待してるだろう、渚さんのおじい様も失望させられません。

 今度は、私がご挨拶に伺います」
と言うと、渚は、うん、と頷く。