派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

「今日、渚さまと来て気づいたのですが」

 背後でした声に、わっと振り向く。

 いつの間にか、後ろを取られていた。

 さすがだ。
 徳田さん……。

 こうして見ると、友江と徳田はよく似ている。

「女学校時代の同級生でございました」
とお互いを手で示す。

 そ、そんな感じですね。
 っていうか、どんな学校なんですか、そこ。

 メイド長養成学校みたいだな、と蓮は思った。

 そんな中、渚は、
「蓮と別れるなんて選択肢はない」
と統吉に向かい、言い切っていた。

「心臓持ってかれたみたいに、ずっと蓮のこと考えてるのに、それはない」

 真顔で言う渚に、祖父の斜め後ろに居た祖母が、まあ、と赤くなる。

 統吉の袖を引き、
「いいじゃありませんの。
 まるで若い頃の貴方みたいですわ、この方」
と言う。

 その言葉を聞いた統吉が少し照れる。

 この老夫婦は今でもラブラブなのだ。