派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

「渚、この人、危ないよ。
 無茶するよ」
と上から退いた脇田が渚に訴える。

「お前が言うな……」

「いや、渚さん。
 きっと、今回のことは、脇田さんのちょっとした反抗期だったんですよ」
と言うと、脇田自身が、

「どんなフォローの入れ方?」
と文句を言ってくる。

「だって脇田さんほどの人が私をとか、おかしいです」

「じゃあなんだ。
 お前に惚れてる俺は、それ以下の人間って、ことか!?」

 ……いや、なんでそうなる。

「蓮、お前は俺を舐めている」
と渚が言い出す。

「舐めてはいませんよ。
 だって、生まれて初めて好きになった人なのに。

 ああでも」

 でも? と渚が訊いてきた。

「最初はなんて格好いい人だと思ってたけど。
 今はそう思わないことも多いです」

「はあ!?」