派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

「お前を尋問しようと思って」
とそう言えば持っていた紙袋から、なにかをゴソゴソ出してくる。

「嘘発見器と手錠だ。
 どっちがいい?」
と明らかにオモチャな感じの嘘発見器の箱と、手錠を投げられる。

「……どっちも嫌ですよ」

「ベッドに手錠でつながれて、嘘っぽいことを言ったら、くすぐられるか。
 嘘発見器で、指を挟まれるか。

 どっちだ?」

「だから、どっちも嫌ですよ……。

 っていうか、どちらも私が嘘をつくの前提なのは、何故ですか。

 それに、それ、オモチャじゃないですか。

 適当に指挟まれたり、電気が流れたりするのに、それでおしおきされたら、敵わないですよ」
と言っているのに、渚はもう、勝手に箱を開け、蓮の手を、嘘発見器に固定していた。

「いいか。
 なにを言われても、いいえ、と言うんだぞ」

「蓮、俺のことを好きか?」

「いいえ」

「……ムカつくから、やっぱり、はい、にしろ」

 いや、あんたが指定したんだろ、と思いながら、渚がスイッチを入れるのを見た。