派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

 蓮は溜息をつき、

「和博さんは、兄と同じ学校に行きたくて、猛勉強したくらい、兄にべったりだったんですよ」
と溜息をつく。

「……そうか」

 なるほど、いまいち、憎めない男だ、と思い、和博を眺めていた。

 だが、邪魔は邪魔だな、と思う。

 蓮が同情気味だし。

 情けをかけすぎて、おかしなことになられても困る。

 渚は、和博の首根っこをつかみ言った。

「おい、和博」

「だから、なんで呼び捨てだっ」

 僕の方が先輩だぞっ、と和博は叫ぶが。

「なんの先輩だ。

 お前は俺の友達の先輩だが、俺の先輩じゃない」
と言い切る。

「年が上だからって、人生の先輩というのもありえないしな、お前の場合」

 そういうの、年齢は関係ないから、と言い、首根っこをつかんだまま、上に引っ張り上げるようにして言った。

「ちょっとその辺で美味い飯でも食いながら、二人で話そうか」