派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

 



 ……言い切ったよ、この女。

 身を乗り出したまま、渚は固まっていた。

 それがどうかしましたか? という顔で、蓮は見ている。

 怖いな。
 大丈夫か?

 実は、他にも好きな男が居たり、キスしたりした男が居るんじゃないのか?

 こうやって、次々記憶から抹消してってるだけで。

 蓮を想うあまり、こっちは疑心暗鬼になっていたのだが。

 彼女は違うことを考えていたらしく、覚悟を決めたように、赤くなって言ってきた。

「だいたい、最初に貴方がおかしなことを言ってきたから、今、こんなことになっちゃってるんじゃないですか」

 一目見て、子供を産めと言ったことだろう。

「こんなに好きになっちゃったんですから、責任取ってください」
と可愛らしいことを言う。

「誰になにされようとも関係ないです。
 渚さんしか好きじゃないから。

 あのっ、恋愛ってしたことないから、よくわからないんですけど。

 私は、一生、渚さんと恋していたいんです。

 そういうのって、……無理なんですかね?」

 そう窺うようにこちらを見て、訊いてくる。