派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

 そうやって、男たちと蓮の興味が銃に向いている中、葉子だけが違うことに心を奪われているようだった。

「どうしよう。
 私、会ってみたいです。

 社長以上の男前の上司ってっ」
と何故だか、会ったこともないはずの課長代理に恋しているような顔をする。

「いや、それ、ただの和博さんの好みの問題ですから」

 人の顔の良し悪しって好みでしょ、と蓮は言う。

 実際のところ、どんな男なのか、まだ顔は見ていないのだが。

 渚以上に自分の方が気になっていた。

「あ、じゃあ、僕、失礼しますね」
と奏汰が愛想笑いを押し上げながら、去っていこうとした。

 ちらと渚がこちらを見た。

 その視線がなくとも、追っていくつもりだった。