無駄に評価高いな、渚の中の僕は。
あまり警戒されると、隙がなくなるじゃないかと思いながら、脇田は社長室から出た。
「脇田さん、お茶入りましたよ」
と蓮が微笑みかけてくれる。
お客様からいただいた羊羹を葉子が切ってきたようだ。
「ありがとう」
と微笑む。
渚はそれほど気にならないような強がりを言っていたが、僕は気になるな、その、喧嘩した上司とやらが、と思いながら、蓮が淹れてくれたお茶を啜る。
そのとき、誰かが秘書室のドアをノックした。
はい、と一番戸口付近の蓮が立ち上がる。
少しだけドアを開け、石井奏汰が顔を出した。
「あの、お客様みたいなんですが、どうしましょう」
……どうしましょうってなんだ? と思う。
外部の人間か?
普通、受付から先に連絡が来るものだが、と思っていると、
「駐車場って捕まっちゃったんですよ~」
と奏汰は半泣きだ。
そのとき、勝手にドアが全部開いた。



