和博さんと婚約したから、課長代理が怒ったとか意味がわからないし。
夜中に目を覚ました蓮は、ふと、渚の言葉を思い出し、考えていた。
信頼していた人間に、いきなり人前で罵られ、裏切られたことは今でも心の傷だ。
「……なに考えてんだ」
寝ていなかったのか、目を覚ましたのか。
背中の方から渚が訊いてくる。
「いえ、課長代理のことを考えてま……
なんで首絞めるんですかーっ」
と背後から首に手を回してくる渚を振り返った。
「もう終わったことだろ、考えるな」
「だって、渚さん。
私、仕事でやっと頑張れたってときに、信頼してた人間から、あんなこと言われて、すごいショックだったんですよっ」
「和博は突然、お前と婚約したいと言ってきたと言っていたな。
その課長代理の話とかしてたんじゃないのか?」
「ああ、してましたね。
すごい頼りになる上司が居るって」
「それが原因だろうが」
と首を絞めてくる。



