派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

「ああ、そうですね。
 いつが……」
と言いかけ、蓮は一瞬、笑顔を止めかけた。

 だが、すぐに微笑み、
「いつがいいですか?」
と訊いてきた。

「いつでもいいけど。
 早く終わる日なら」

「渚さんにも言っておきましょうか」
と言い出すので、

「渚はやめて」
と言った。

「渚も、気を使って、他の女の子誘うのもやめて。
 僕、静かに呑みたいし。

 渚には、仕事で弱ってるところは見せたくないから」

 上手い言い訳な気もしたし、それが本心のような気もしていた。

「了解です」
と蓮は言う。

「渚さんが来ないときは、私は暇ですよ」

「それ、空いてる日、ないってことだよね……?」
と言うと、そんなことないですよ、と笑っていた。