今日もいい陽気だな。
葉子に、お使いにでも行って、気分転換してきたら? とたいして急ぎもしない切手を買ってくるように言われ、蓮は外に出ていた。
郵便局へ続く駐車場に下りようとしたとき、階段のところに脇田が座っているのに気がつく。
斜め後ろに立ち、
「脇田さん、煙草吸うんですね」
と言うと、
「いや……普段は吸わないんだけどね」
とこちらを振り返り言ってきた。
その顔を見て、なにやら、さっき、渚が、脇田が自分に気がある風なことを言っていたが、やはり、気のせいだろうと思う。
脇田には、それこそ、葉子のような、仕事の出来る、落ち着いた美人が相応しいと感じたからだ。
「久しぶりの大ポカ。
渚が僕自身に処理させてくれたから、まだよかったけど。
これで、渚が自分で頭下げて、フォロー入れてくれるようじゃ、もう秘書終わりだからね」
脇田さんを見下ろすのもな、と思い、蓮はその場に腰を下ろして言った。
「私の方を切るそうですよ」
脇田が振り向く。



