「俺にはわかっていたぞ。
 お前は、好きでもない男を部屋に上げたりしない」

 どきりとしていた。

 真実を突かれた気がして。

 だが、気づいた。

「あのー、脇田さんもこの部屋、入ってますけど」

 渚は上に乗ったまま、少し考え、
「例外だ」
と言ってくる。

 都合よく話をまとめるなあ、と思った。

 その勝手さに笑ってしまいそうになったが、示しがつかないので、ぐっと堪える。

 実際、脇田を入れたのは、怪我のせいだが。

「お前は俺の愛情が信じられないんだろう。
 最初に阿呆なことを言ったから」

 わかってるじゃないですか……と思った。

 わかった、と言った渚は上から退いて言う。

「やっぱり、ちょっと順序通りに付き合ってみよう。
 日曜日、時間を空けるから、デートに付き合え」

「はあ……」