派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

「ははは。

 そうだな。
 蓮には、お茶でも習わせよう」
と勝手なことを言い、笑っていた。

 お前のとこの流派では、正座した膝の上に漬物石を置く特訓でもあるのかーっ。

 第一、茶道なら、子供の頃からやってるしっ。

 しかし、すべては声にならず。

 徳田との通話を切った渚が、足の先で、ちょん、と蓮のつま先をついてきた。

「~~っ!」

 声にならない声を上げる蓮に、渚は、しれっとして言う。

「早く治るぞ」

 お前も未来レベルかーっ。

 今日も騒がしい夜だった。