「さあ、好きなものを買え」
と店内で渚が言い、仲間が商品を並べ替えながら笑っていた。
「いやあの、好きなものをって、コンビニですからね」
だが、まあ、こんなになんでも揃ってるところも他にないか、と思う。
よくこの狭い空間に厳選されて置いてあるものだと思う。
せっかく来たのだから、前から食べてみたかった、ちょっと高いお惣菜でも買ってみるかな、と思い、眺めていると、その近くにある野菜類に目が行った。
「そういや、コンビニにも野菜とかあるんですよねー」
買う人居るのかな、と呟くと、
「お前は料理しないから知らないだろう」
と渚が言ってくる。
「あっ、なに言ってるんですかっ。
作りますよっ」
「嘘つけ、あの未来とかいう少年が、お前の実家から晩ご飯を運んでると言ってたじゃないか」
とバラすので、仲間だけではなく、近くをモップでお掃除していた若い男の子まで笑っていた。
「いつもじゃないですよーだ。
わかりました。
今から作って見せますよ。
なにか、おつまみでもっ。
じゃあ、野菜買ってくださいっ」
と言うと、側に居た仲間が、ぼそりと、
「その先のスーパーが十二時まで開いてるけどね」
と言ってくる。



