昼休み、会食用に仕出し弁当を手配したついでに、自分たちの分も頼んだので、手が空いてから、秘書室で食べることになった。
「こういうのって見た目はともかく、味はいまいちなことが多いけど、此処のは美味しいですね」
と葉子に言うと、
「でしょー?」
と葉子は勝ち誇る。
それで一緒に頼もうと誘ってきたようだ。
「手配と言えば、夜になってから、コンビニで菊買ってこなくても、他の時間に手配しとけばいいような気がしませんか?」
そう花のことで、葉子に愚痴った。
菊やしきみに不満があるわけじゃなくて。
……いや、あるが。
一番の問題はそこではない。
「絶対、仕事終わるまで、私のことなんて、ケロッと忘れてるんですよ。
それで、暇になったから、急に思い出して、おお、忘れてた。
まあ、あいつにやるのなんか、この仏壇の花でいいかって」
「あの、蓮ちゃん、後ろ……」
と葉子が苦笑いした。
振り返ると、渚が立っていた。
「いや、その時間までお前のことを考えてないわけじゃないんだが」
と言ってくる。
いや……忘れてるますよね、完全に。



