あたしたち7人は無言のまま歩いていた。


体育館よりも安全な場所がこの校内にあるかどうかわからない。


だけど、移動を始めれば止まるわけにはいかなかった。


階段を下りて渡り廊下へと続く廊下をゆっくりと歩いて行く。


さっきまで一緒にいた生徒たちがどこにいるのか、今はもう検討もつかなかった。


「辻本先生、音楽室はどうですか?」


そう言ったのは一番後ろを歩いていた田井先生だった。


その言葉にみんなは一度立ち止まった


音楽室は別館2階の一番奥にある。


つまり、この階だ。


「音楽室ですか?」


辻本先生が聞き返した。


「えぇ。音楽室ならすぐ隣がトイレになっているし、床は体育館のように硬くはありません。体を休めておくにはいいんじゃないですか?」


そう言われて、あたしは1度しか入ったことのない音楽室を思い出していた。


赤い絨毯に覆われていて、天井が高くいろんな楽器が置かれている。


体育館のようにシャワーはついていないけれど、お尻は痛くなりにくそうだ。


「田井先生がそう言うなら、音楽室を調べて見ましょう」


辻本先生はそう言い、あたしたちは一旦音楽室へと向かう事になったのだった。