あたしは血まみれの死体から、泣いている生徒へと視線を向けた。


2人の手は真っ赤に染まり、返り血で制服も元の色を留めていなかった。


「あたしが殺したの!!」


「あたしだって、2人とも殺した!!」


たまらず叫び、自分の両手を見つめる。


目は通常の色に戻っているが、混乱状態で今にも暴れ出してしまいそうだ。


その光景は見ていてとても痛々しかったが、後ろにいた祐矢先輩がホッとした息を吐き出すのが聞こえて来た。


驚いて振り向くと、「これで感染者は2人減った」と、祐矢先輩は呟いたのだった。