それからまた数時間が経過していた。


アラタ先輩と祐矢先輩は疲れているのか、マットに寝転ぶとすぐに寝息を立て始めた。


辻本先生は森本先生たちとなにかを話している。


時々「パソコンで」とか「ダメでした」という単語が聞こえて来る。


もしかしたら、学校内にあるパソコンで外部との接触こころみたのかもしれない。


それすらできなかったとすれば、状況は絶望的だと思えた。


あたしと空音は壁を背もたれにして、ぼんやりと時間を過ごしていた。


このまま何もできず時間だけが過ぎていくのだろうか。


いつか訪れる死を意識してあたしは空音の手を握りしめた。


「愛莉?」


「……なんでもない」


あたしは空音から手を離さず、そう言った。