「辻元先生、これを使ってください」


空音がそう言うと、スタンガンを先生へと手渡した。


「ん? いいのか?」


辻本先生は少し戸惑ったような表情を浮かべてそう言った。


「いいです。体育館の中はまだ安全だと思うから」


「それに、あたしのバッドもあるしね」


あたしは昨日返してもらったサインバッドを見てそう言った。


体育館の中じゃ必要になるシーンはないと信じているけれど、一応だ。


「そうか。それなら遠慮なく借りていくか」


辻本先生はそう言い、空音からスタンガンを受けとってそれをポケットにねじ込んだのだった。