「───それぞれが次へと繋がる有意義な休みを過ごして下さい。
そして2学期には、また元気な姿で会いましょう───」

体育館と武道館へ響く、放送による学校理事長の終業式の挨拶。
その場にその姿は無くとも、そこには真摯に取り組む整列した生徒達の姿があり、誰もが1学期終了とされる締め括りの言葉に耳を傾けていた。


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終業式が終わり、武道館からは中等部。体育館からは高等部の生徒達が各々の教室へと戻り始める。

私は前の人にならって歩を進めていると、ふと視線を感じた。その視線を辿るようにその方を見やれば、数メートル先の反対側の通路に、一先輩と七聖くんが歩を止めてこちらを見ているのがわかった。

二人の姿をとらえた私は、自然と自分の顔に笑みが浮かぶのがわかった。
それに応えてくれたかのように、七聖くんは笑顔になり、一先輩は目元を細めうすく微笑んだあと、軽く左手を上げた。
そのまま耳の近くへ移動された左手。

私はその仕草に軽く会釈をして、校舎内へと入った。