何時間も手術室の前で待っていた。 ようやく開いたと思ったのは、 ウトウトし始めた夜明けだった。 虚ろな目と回路が正常に回らない頭で、 ドアの前に立つ人をみる。 ?「今回手術を執刀した者です。 陽斗君のお母さんでございますか?」 陽母「はい。息子はどうなんですか。」 沈黙が続く。 おばさんは、 執刀医師をじっと見つめているようだ。 私はというと、 未だに覚醒しない頭の中で、 陽斗のことを考えていた。