「わざわざありがとうございます」
「べっ、別にっ」
「……」
廊下がシーンと静まり返る。
見た目の変わった黒瀬を前になんだか気まずくなる。
「彼と別れたんですね」
へ?!
!!!
な、なんで黒瀬が知ってんの?
教室での会話、聞かれてたのかな…。
「…あぁ…うん…まぁ」
黒瀬からその話を振られると思っていなかったから、戸惑う。
「そうですか」
「…別に落ち込んでるとか悲しんでるとか慰めて欲しいとかそんなの全然ないから!く、黒瀬もさ、早く彼女作りなよ!!まぁ、ガリ勉だからそんな簡単にできないと思うけど!」
「……」
…バカかよ私。
ほんとありえない…。
なんでそんなこと言うのよ。
パニクると変なことを言ってしまう癖が。
あぁ、時間を巻き戻したい。
「お疲れ様です」
「…へっ?!」
!!
黒瀬は優しく私の頭をポンポンと優しく叩いてから、そのまま通り過ぎて言った。
な
な
なんなの今のーーー!!!!!
心臓がバクバクとなる。
私は慌てて振り返り、黒瀬の背中を見つめた。
自覚してないのはどっちよ…。。。