レストランをあとにして、 あたしたちは浴衣姿のまま館内でゆっくりと時間を過ごした。 庭園を望む曲がり廊下を、手をつないで歩く。 「さくら」 「ん?」 「大人になったら、今度は日帰りじゃなくて泊まりで来ような」 あたしたちはこれからも、ずっと。 大人になっても一緒だって。 そうあたりまえのように言ってくれた彼の何気ない言葉に、 胸があたたかくなる。 「うん」 笑顔でうなずいたあたしを見て、 彼は繋いでいた手をぎゅっと強くにぎりしめた。