何故かこのセカイに来た当初から懐かれていた私は、今住居にしている部屋にもよく2人を招いていた。
………ついでに言えばチェシャもよく来ている、それは現在形で。
2人の部屋に招かれたこともあり。
あの日は確か、招かれた方だったはず。
3人でお茶を飲んでいて………まぁ、異様に二人の目がギラギラしていたのは………。
………はい。
それで、その後チェシャに会う予定だったから、お暇しようとしていたら。
『僕らと一緒にいれば、他なんていらないよね?』
『あんな奴、僕らのアリスと会う価値もないよ』
と、閉じ込められそうになって。
………喧嘩してね、半ば飛び出すように彼らの家を出た。
それからしばらく二人に話しかけられても、怒っていた私は無視を決めつけていて。
そうしたら、あんなことに。
彼らに人気のない道まで連れてかれ、後ろと前を塞がれた。
後ろからディーに腹部あたりで拘束され、ダムに頬を撫でられた。
と、思った瞬間、ダムの手が首に降りて、力が込められた。
どうにか逃れて、何をするかと問い詰めたところ、コイツらは。
『僕らに聞こえない声なんていらないよね?』
『だったら喉……声帯なんて潰してもいいでしょ?』
とのたまいやがった。
あの時の恐怖と言ったら。
ちなみに、逃れる時に助けてくれたのが、たまたま通りかかったチェシャだった。
………………不幸とは重なるものである。



