「ねぇ本当に行くの?」
と、私はチェシャに三分事に聞いている。
だって私次こそ殺されると思う。
だからなるべくあの人たちに会いたくないっていうかね?
「あーもーうっさいなぁ。行くって言ってんだろ?男に二言はねーよ」
私、女。
「大体なんでそんな二人になりたいのよ」
と、口に出してから後悔。
何故って、にやりと笑う口元が見えたから。
「そりゃあ、ねぇ?」
うわぁ、私この顔嫌い。
企んでいることを隠そうともしてない。
……………………有事の際には逃げよう。
蹴り飛ばしてでも逃げよう。
懐いてくれている飼い猫もしくは友達が一人減るけれど致し方ない。
貞操は守らねば。
まだ散らしたくない。
なんて考えて決心していると、チェシャが止まったことにも気が付かず。
思いっきり顔を彼の背中にぶつけた。
「った!」
いたた、と鼻をさすっていると、前から楽しそうな声が聞こえた。
「ねぇ見て?ディー。僕らのアリスだよ」
「そうだね、ダム?僕らの愛がやっと伝わったんだね」
そのふたつの声を聞いて、私の背筋を何か冷たいものが伝っていったのは言うまでもない。
こわ。
ゾッと鳥肌が立つ。