一体ここはどこなのか。
辺りは真っ赤に染まり、そこに咲く白薔薇もまだらに赤く染まっていた。
ふと視線をずらせば、自分の手も同じ赤。
そして、その手の奥に見える、赤い彼。
もうその胸が鼓動を刻むことはないし、その肢体はすっかり冷たくなっていた。
少し前までは、彼自身も彼から流れ出すこの赤も温かかったのに。
………………どうしてこうなったんだろう。
私は……。
………。
……。
覚えてない。
ううん、思い出したくない。
………頭が痛い。
どうして?
彼は殺されなければならなかったの。
なぜ。
…………彼を殺したのは、自分だったの。