私は軽くお辞儀をして、飲み物に手を伸ばす。 そして目の前にいる彼の口が、動いた。 「俺の名前、覚えてる?」 「えっ、あ、はい。」 まあ覚えたのは、今日だけど。 「あんたより二つかな。上だけど、タメでいいから」 「え…?」 「堅苦しいの嫌いなんだよね」 そう言って運ばれてきた飲み物をグイグイと飲んでいく。 「わ、わかった」 正直に言うと私も堅苦しいのは苦手だ。 タメでいいというのならタメにする。 私は返事をすると同じくグイグイと飲み始めた。