「ん…」 ふっと目を開けると、目の前にはおじさんが立っていた。 あぁ、そうか。電車の中だ。 思い出したかのように理解して顔を伏せる。 …嫌な、夢だ。 ここ最近あの頃の夢を見る。 4年前の、18の時の―… 「――駅――駅」 また、思い出しかけた途端アナウンスが鳴って我に戻る。 そして駅を出て数分のところにあるビルに私は足を進めた。