「私……同じクラスに助けたい人がいるの。それを中途半端にしたままで、いなくなるなんてできない。それに……山野くんのことも、もう悲しませたくない」

「佐々木さん……うん。ありがとう」


ほっとしたように表情を緩ませた彼を見て、この選択は間違いじゃないと確信する。

ただ同時に、住む世界の違うルカと一緒に生きることは不可能だということが、痛いくらい胸に突き刺さる。


『俺は……心の声じゃなくて、その口から聞きたい。いつか、ちゃんと俺を好きになってくれたら、その気持ちを』


(……伝えなくちゃ。言葉に出して、ルカに)


ーー私は、ルカのことが好き。


あなたが何者でも、その気持ちは本物だよ。


でも……春はきっと、容赦なくやってくる。


ねえ、ルカ。


その時が来たら私たち、お別れするしかないの――?