好きとか、恋とか愛とかそういうんじゃないと思う。
でも、ルカを放っておいたらいけない、ルカのそばにいなくちゃって、心の奥からそんな気持ちが湧いてくる。
「……別にいいよ。……帰ろう?」
私はそう言ってルカのもとへ駆け寄ると、再び彼の持つ傘の下に入った。
ルカは少し気まずそうにしていたけれど、ぽつぽつと会話をしながら二人で歩いた帰り道は、決して居心地の悪い時間ではなかった。
*
夜が更けてくると、雪の勢いが増し、寒さも一層厳しくなった。
でも、これだけ寒ければ、積もった雪はきっと明日も残っているだろう。
家に帰ってから、自分の部屋で一人そう思うと、何故だかほっとした。
“春が来ても大丈夫――”
ルカはそう言っていたけれど、私はどうしても、彼との時間が限られたものであるような気がしてならなかった。