好きとか、恋とか愛とかそういうんじゃないと思う。

でも、ルカを放っておいたらいけない、ルカのそばにいなくちゃって、心の奥からそんな気持ちが湧いてくる。


「……別にいいよ。……帰ろう?」


私はそう言ってルカのもとへ駆け寄ると、再び彼の持つ傘の下に入った。

ルカは少し気まずそうにしていたけれど、ぽつぽつと会話をしながら二人で歩いた帰り道は、決して居心地の悪い時間ではなかった。





夜が更けてくると、雪の勢いが増し、寒さも一層厳しくなった。

でも、これだけ寒ければ、積もった雪はきっと明日も残っているだろう。

家に帰ってから、自分の部屋で一人そう思うと、何故だかほっとした。


“春が来ても大丈夫――”


ルカはそう言っていたけれど、私はどうしても、彼との時間が限られたものであるような気がしてならなかった。