*・*・* 夜。 懲りずに私はまた、窓枠に足をかける。 ベッドを抜け出す前にさっと巳影くんのベッドを見てみたけど、もうすでに彼の姿はなかった。 きっともう行ってるんだろう。 また高瀬さんに怒られるかもしれない。 でも、行きたい。 いじめられっ子だった私にとって、何度も規則を破るのは怖いことだった。 それが分かっていても、不思議と恐怖心はない。 私は今日も、窓枠を蹴って闇の中に身を投じる。