藤塚くんが気まずそうに視線を逸らしたので、私は慌てて笑った。 「ごめん、なんか暗くなっちゃったね! この話は忘れちゃっていいから!」 そう、こんな話覚えてもらってたってしょうがない。 藤塚くんみたいに優しい人には、毒だ。 笑って肩をすくめてみせると、藤塚くんの真剣な瞳とかち合った。 「そんなこと言うなよ。俺は絶対忘れないからな」 少し強い口調で言われて、びっくりした。 だけど気付いたときには、ゆっくり頷いていた。