気分も紛らわせるために、明るい曲を弾く。
だけど、悲しい涙がぽろぽろ溢れてくる。
どうやったら和樹をあきらめられるの?
私はこんなにも好きなんだよ?
わかりにくかったかもしれない。
だけど、だけど。
何よりも、まだ隣にいられると勘違いした自分が馬鹿馬鹿しく思えてしまう。
ずっと好きだった。
楓よりも先に好きになった。
なのに!
どうして!?
でも仕方ないの。
私は和樹を止められる権利なんてない。
和樹と楓が付き合うところはまだ見たくない。協力もしたくない。
なんかいい逃げ道ないかな……?
「……! あった!」



