そんなの私でも知らなかったよ…… なんでそんなこと和樹が知ってんのよ? 些細なことでも嬉しいんだけど。 「私は大丈夫だよ、綾瀬くん」 「ほら、いいから」 「でも……」 「俺男だし、沖田さんくらいおんぶ出来るし。それに、悪化したらいけねーだろ?」 「じゃあ、お言葉に甘えて。私重たいよ?」 「いいっていいって。ほら、乗って」 楓はしゃがんだ和樹の背中にそっと乗った。 「じゃあ、泉。乗りな」 「白坂いたんだ……。ごめん。気付かなかったや」 「それはいいから乗りな」 「あっ、はい……」