「氷室さんも華麗なる大円舞曲、見事でした! 私感動しちゃいました!」



「私のなんてまだまだですよ。お客様の反応から見て、泉さんの方がすごかったわ」



「ありがとうございます」



「じゃ、私は人を待たせてるから行かないと。今日はありがとう。またお話しましょうね」



「はい。では、また」




手を振って氷室さんを見送った。






「音羽いた!」



「和樹! 楓! 千里!」



背後から私を呼ぶ声がしたから振り返ると和樹たちがいた。




「すごかったぞ! えっと確か、ベートーベンの月光第3楽章だったっけ?」



「うん、そうだよ。合ってる。
今日はわざわざありがとう、楓、千里」