「音羽っ!!!」




そう和樹が呼んで、至近距離で目が合う。




お互いが赤らめている。




恥ずかしいけど、そらせない……。








すると突然、和樹が私の肩を抱き寄せた。



「和樹……?」



和樹に抱きすくめられ、胸がいっぱい。







「……いつもありがとう」



「あっ、うん。こちらこそありがと?」




ムード良かったはずなのに、感謝の言葉を言われて顔をしかめる。



あれ? これだけ?




そんなことなら学校でも言えるよね?




「……音羽って、その……好きな奴でもいるのか? えっと、恋愛感情の意味で」



「えっ……?」