「好きなんだ……」
今やっと気付いた。自覚した。
確信出来た。
俺の中にあったもやもやが嘘のように氷解されたのを自分でもわかった。
「やっとわかったんだな」
「教えないって言ったくせに。
やっぱ翔はいいやつだな! サンキュ!」
と言い終えたところであることに気付く。
「音羽好きな奴いるって、
俺片想い確定じゃねーか!」
「そうだったな。
そんじゃあ、俺泉に告る」
「はっ? 何言ってんだ?」
「嫌ならお前が告れ。いいな?
ってか俺他に好きな人出来たし」
矛盾してんじゃん。……でも、
「サンキュ! 行ってくわ!」
俺は走りながら家に帰る。
音羽にあの公園に来てほしいとメールで送ると、俺公園まで走る。
今、伝えるから。
音羽が他のヤツを想っても俺めげねーから。
「……まじで行ったのか?
泉の気持ち少し理解できたかも」
翔がそうつぶやいたのも知らずに。