小さな約束



小野が音羽に耳打ちする。


音羽が先生を見て頷く。


音羽はノートの切れ端で何か書いて小野に見せる。


小野が大きく頷くと、音羽が真っ赤になる。



……一体なんの話だ?



「和樹~先生に指名されてるよ!
嫌いな数学で頑張って起きてもぼーっとしてたら意味ないからね!」



音羽が意地悪な笑みを浮かべる。


音羽に言われてようやく気付いた俺。



「……! ……まじ?」



どこ指名した?



俺全く分かんないんだけど。



と1人抱え込んだその時、



「そんなのあるわけないでしょ!?」



音羽が突然、椅子から立ち上がった。



俺含めたクラスのみんなが音羽に視線を移す。



「な、なななんでもないです……
お騒がせしてすみませんでした……」



「おい、泉。やっぱ指名泉にするわ」