小さな約束




「けど、いつもの和樹で本当に良かった! さっきはありがとっ! そろそろ昼休み終わっちゃうから先行くね!」



「あ……行っちゃった。……やべ」



確かに時間がもう5分しかない。



パンまだ残ってるけど、仕方ないか。



せっかく自販機の近くに来たからダッシュでペットボトル2本。



コーラとスプライト。



音羽が喜ぶ顔を想像すると、思わず綻ぶ。



教室に着いたらちょうどにチャイムが鳴ってクラスで笑い転がった。



視線を音羽に向ける。



音羽も笑ってて、俺は席に座る。



嫌いな数学の授業もいつも寝てるのに、目がついつい音羽の方に追ってしまう。



眠気なんて吹っ飛んだ。




「おおー、綾瀬が起きてる!
じゃあ、この問題綾瀬な!!」