小さな約束




俺は……



「大事な約束の人で頼りになる人?
つまり……」


「約束!? 結婚しちゃうの?」


「ちげーよ。俺がサッカー選手になりたくて、音羽がピアニストになりたいから一緒に頑張ろうなっていう意味で……」



母ちゃんがうんざりした目で俺を見た。


しまいには、ため息まで。




「なんでため息すんだよ?」



「和樹があまりにもバカだから」



「なんでみんなそう言うんだ?
わけわかんねー」



「わけわかんねーのはこっちのセリフだよ」



母ちゃんがため息混じりでつぶやいたその時。



俺のお腹がぎゅるるる……って鳴った。



「さてと、食べますか」



「「いただきます!」」



母ちゃんとご飯を食べるのは1人よりもよっぽどおいしかった。