「おおー!! 可愛いじゃん! 彼女?」
おかげさまで先輩方に質問攻め。
「違いますから!」
「ってかあの子ピアニストちゃんじゃん!
美少女で話題だよな! いいな~」
前は音羽が言ってくれたけど、音羽はもう窓にいないし。
「俺狙っちゃおーかな」
「そこらへんにしたらどうですか?」
「おっ! 翔、いいタイミングに!
お前、ピアニストちゃん知ってんだろ?」
「泉のことですか?」
「知ってるみたいだな。
……なぁ、どんな子よ?」
俺の前で音羽の話、すんな。
無性に苛立ってくる。
「いい人ですけど、狙っても無駄ですよ」
「「えっ? なんで?」」
俺まで声にだす。
「だって泉」



